労働災害の手続きガイド

労働災害が起こったら、どのような手続きを、誰が、どこに、いつまでに行えばよいのでしょうか?
以下のリンク:表3に「どんなときに、どんな書類を、誰が、どこへ、いつ(までに)提出するか」をまとめました。

表3 労働災害にまつわる手続き一覧(PDF)

手続きはしっかりと!

基本的には、被災者もしくは遺族が提出すべき申請が多いものの、会社の証明や添付書類を求める手続きが多いため、通常は会社が被災者・遺族に代わって手続きをします。

労災保険なら、被災者は手厚い保護を受けられ、安心して治療に専念できます。例えば、治療費をみると、労働災害では個人負担はありませんが、労働災害以外では3割が自己負担です。また、労働災害では療養中の解雇は禁じられていますが、労働災害以外では特段の保護規定がなく会社の就業規則が適用されます。

つまり、特定の死傷病が労働災害と認められるかどうかが、被災者や遺族の生活を大きく左右します。会社が手続きを熟知していない、労災の申請を嫌がる、という場合もあります。自分の身は自分で守るつもりで、被災者や遺族も手続きについてしっかり把握しておきましょう。

保険給付の請求には時効がある

療養の費用の給付は2年以内、遺族給付は5年以内など、一定期間を経過すると請求権が消滅するので、注意しましょう。

派遣労働者の手続きは?

労働時間の長さや契約期間の長さにかかわらず、すべての派遣労働者は労災保険の保護対象です。派遣元事業者が加入手続きを行います。

労働災害が発生した場合の「労働者死傷病報告」は、派遣先および派遣元の事業者双方が、それぞれの事業場を管轄する労働基準監督署に提出します。

もしも会社が労災保険に加入していなかったら!

労働者を1人でも使用する会社は、事業活動をはじめた時点で自動的に保険関係が成立します。事業を開始した日から10日以内に加入手続きをしなければなりません。

会社が加入手続きをしていない、保険料を納付していないといった場合でも保険関係は成立しており、加入手続が遅れている、保険料納付が遅れている、という扱いになります。

したがって、会社が加入手続きを怠っていた期間中に労働災害が発生した場合も、被災者は労災の保険給付を受けることができます。このとき、事業主はさかのぼった保険料に加え、延滞料、保険給付額の全額または一部を課せられ、かなり大きな負担となります。

会社が申請書類作成に協力してくれなかったら!

会社が労災の申請を嫌がり、労災申請書類の作成に協力してくれない場合も、申請は可能です。事業主証明欄などは空白のままとし「会社は認めてくれなかった」と申し添えて書類を提出できます。提出書類と事実関係の調査を元に、労働基準監督署長が労災か否かを決定します。

労働基準監督署の決定に不服があるときは?

保険給付に関する決定は、労働基準監督署長が行います。

自分では労働災害と思っていたのに業務外と判断されるなど、労基署の決定に不服があるときは、事実関係を再度調べるよう審査請求ができます。審査請求後の決定にさらに不服がある場合、再審査請求をすることができます。再審査請求後の決定にさらに不服がある場合は、行政訴訟(地方裁判所→高等裁判所→最高裁判所)を起こすことができます。訴訟には時間も費用もかかるため、一般的には審査請求・再審査請求で納得のいく裁決を得られるよう努めるのが良策です。

 

(参考文献 ※1、※2、※3、※4、※5、※7、※8、※9、※10)

 

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