リスクアセスメント:労働安全衛生法改正(平成28年6月実施)

1.一定の危険性・有害性が確認されている化学物質(※3)による危険性又は 有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施が事業者の義務となりました。

2.事業者には、リスクアセスメントの結果に基づき、労働安全衛生法令の措置を講じる義務(※4)があるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じることが努力義務(※5)となります。

3.上記の化学物質※1を製造し、又は取り扱う全ての事業者が対象です。

参考:化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-14/hor1-14-8-1-0.htm

参考:化学物質のリスクアセスメント実施支援ツール
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankgc07.htm

4.簡易なリスクアセスメント手法(コントロール・バンディング)

化学物質リスクアセスメントの手法には、実際に作業現場で測定した化学物質の濃度を基にする「定量的な方法」と、化学物質の有害性や飛散性などの性質と一定期間の使用量によりリスクレベルを推定する「定性的な方法」があります。

そして「定性的な方法」の代表的なものに、「コントロール・バンデイング」と呼ばれる手法があります。「コントロール・バンディング」は「バンド」、つまり「帯」で対応を考えようという、いわば簡易的なリスクアセスメント手法です。この物質をこれくらい使うと「超危険帯」なのか「危険帯」なのか「準危険帯」なのか、それとも「非危険帯」なのか・・・それぞれの「帯」(=リスクレベル)によって必要な対応を決めようということです。

化学物質に関する知識が不足している場合や、測定による方法が困難な場合などに使える便利な手法であり、厚生労働省のHPでも紹介されています。

参考:リスクアセスメント実施支援システム
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/ras/user/anzen/kag/ras_start.html

※3 労働安全衛生法第57条の2及び同法施行令第18条の2に基づき、安全データシート(SDS)の交付義務対象の物質。
※4 リスクアセスメントの結果に基づく措置は、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則等の特別規則に規定がある場合は、当該規定に基づく措置を講じることが必要です。
※5 法令に規定がない場合は、結果を踏まえた事業者の判断により、必要な措置を講じることが努力義務となります。

事例「工場内廃棄物焼却炉の吹きつけ作業中に薬傷」

1. 発生状況

工場内における焼却炉の補修工事で、耐火物の促進剤である急結剤の吹付け作業を行っていた際、ノズルとホースの接続部から飛散した強アルカリの急結剤が作業者の皮膚に付着し、薬傷(化学性皮膚炎)を負いました。

2. 原因

事故の原因は次のとおりです。
① 作業計画書に安全指示・注意事項が記載されていなかった。
② 作業者に安全衛生教育が行われていなかった。
③ 液体が浸透しない適切な保護具などを選定していなかった。
④ 使用する薬剤のSDS(安全データシート)等の交付がなされていなかった。
⑤ 当日、作業指揮者が出勤できなくなったにも関わらず、代替措置を協議することなく作業を実施した。

参考
厚生労働省「職場の安全サイト」
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/index.html
経済産業省「化管法サイトマップ」
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/sitemap/index.html

 

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