ストレスチェックの目的

そもそもストレスチェックの目的とは何でしょうか。冒頭で述べたとおり、背景にあるのは職場(事業場)における精神障害・メンタル不調の顕在化です。具体的には、職場でのストレスが原因で精神障害を発病する事例が、ここ数年、増加傾向にあるのです。(※5)

また、自殺者の推移も見逃せません。日本における自殺者総数は、平成22年以降3万人を下回り減少傾向ですが、諸外国と比較しても依然として高水準で推移しています。(※6,7) 一方その原因のひとつとして、職場のストレスによるメンタル不調があると考えられます。

出典:「自殺の統計:各年の状況」厚生労働省

こうした現状を改善するために、事業者によるメンタルヘルスケアの一環として創設されたのがストレスチェック制度です。なお、厚労省指針(「心理的な負担の程度を把握するための検査等指針公示第2号」)によるストレスチェックの目的は、「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること」とされています。

メンタルヘルスケアにおける3つの段階

メンタルヘルスケアには3つの段階があります。メンタルヘルス不調となることを未然に防止する「一次予防」、メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行う「二次予防」、メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰を支援する「三次予防」です。(※8)

このうち「一次予防」の基本であり出発点となるものがストレスチェックです。

ストレスチェックとは?

労働者本人にあらかじめ設けられたストレスに関する所定の項目について、調査票等を用いて自己診断(チェック)してもらうことにより、当該労働者のストレスの程度を把握する手法です。

なお、所定の項目については、労働安全衛生規則第52条の9に以下のとおり定められていますが、具体的なチェック項目は各事業者に委ねられています。

一  職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
二  当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
三  職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

ストレスチェックの目的

上述にあるように、ストレスチェックの目的は、「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること」とされていますが、どうしてストレスチェックがメンタルヘルス不調の未然防止につながるのでしょうか?

そもそも「メンタルヘルス不調」の原因や程度は様々で、それこそ人の数だけあると言っても良いかもしれませんが、過去の労災認定事例など業務に起因するものに関する主要な問題点としては、以下の二点があげられます。

1.労働者が自身のストレスの程度に気づかないまま重度化している
2.職場環境にストレスの原因が内在するにもかかわらず改善されていない

これらの対策として1.については各種のカウンセリングやセルフケアの方法が開発されていますが、そのためにはまず各労働者が自分自身のストレスの程度に気づく必要があります。

また、2.についても職場集団全体のストレスチェックのデータを通して、職場環境に関する問題点の把握やそれに対する有効な対策の実施が期待出来ます。 ストレスチェックはこれらを実行するための手段と言えます。

 

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