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【第2章】2.換気の種類及び概要①


粉じんの発散そのものを抑える方法と発散した粉じんを除去する方法以外にも、もう一つの方法として換気により粉じんの濃度を抑える方法が考えられます。

例えば前述の鉱業や建設業の現場などで対策が限られる場合にも、空気の入れ替えをしたり新鮮な空気を送ることにより、空気中の粉じん濃度を下げることはできます。

局所排気装置やプッシュプル型換気装置のように、粉じんが空気中に拡散する前に取り除くことは難しい場合には、有効な方法です。

換気には大きく分けて工場など屋内作業を対象としたものと、鉱石などの採掘現場やトンネルなどの掘削現場を対象としたものがあります。

2-1 屋内作業場の換気

屋内作業場の換気には、全体換気装置による方法、熱気流による方法、自然換気による方法があります。

(1)全体換気装置による方法
台所でも換気扇等による換気が行われていますが,これと同じような方法で行うのが,屋内作業場で一般に行われている全体換気装置による換気です。こちらは換気扇の能力により、単位時間当たりどれだけの量を排出できたかなど、ある程度の計算ができます。
一般的な全体換気は,全体換気装置により建物の中に新鮮な外気を連続して送り込み,汚れた空気を新鮮な空気と入れかえますが、粉じん濃度が高い場合の効果は限定的ですので、保護具の使用などの併用が求められます。

(2)熱気流による換気
暖かい空気は上方に昇ります。これを「上昇気流(熱気流)」といい,これを利用して全体換気を行うことができます。
たとえば,建物の中に炉などがあるとき,炉のまわりの温度は数百度になっていますので,屋根に向かって上昇気流が起きます。そこで,屋根に穴を開けておけば,その上昇気流によって屋内の汚れた空気を屋外に排出することができます。
炉の温度と屋根周辺の温度との差が大きければ大きいほど強い上昇気流が起こり,それにともなってまわりの空気が上昇気流に巻き込まれます。これによって部屋全体の空気を換気することができ,全体換気装置による換気と同様の効果が期待できます。

(3)自然換気
締め切った部屋が暑い時や、異臭がするとき、多人数で一定時間を過ごしたとき(二酸化炭素濃度が上昇しているとき)などには窓を開けて空気の入れ替えをしますが、まさにそれが自然換気という方法です。
この方法は、雨天や冬期など,窓を閉めていたり,窓を開けていても風が吹いていなかったりした場合には効果がないため,計画的な換気ができず,補助的にしか用いることができません。

 

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