労災保険の基礎知識 – 労災保険とは?

前ページまでで、労働災害の基礎知識について解説してきましたが、
では、労働災害に適用される「労災保険」とはどのような制度でしょうか?

労災保険とは、労働災害を被った労働者またはその遺族に対して迅速かつ公正な保護をするための保険制度です。
労働者災害補償保険法に基づく国の制度で、保険者は国、加入者は事業主、保険給付対象は労働者及び遺族です。国が事業主から保険料を徴収し、労働災害が発生したときに、被災労働者及び遺族に対して治療、休業補償等の保険給付が行われます。

そもそも、業務災害が起こった場合、労働者の治療費、休業補償、身体に障害が残った場合の補償、遺族補償などは、使用者に負担義務があります(労基法第75~80条)。しかし、これら全てを事業主が負担するのは、費用面からも実務上からも現実的ではありません。また、会社の倒産などによって必要な補償を受けられない被災者が出る危険性もあります。そこで、普段から保険料を徴収する保険の仕組みによって、事業主の負担軽減と被災者の迅速な救済をするための制度が労災保険なのです。

全ての会社に適用

労災保険は国内の全ての会社に適用されます。
労働者を1人でも使用する会社は、事業活動をはじめた時点で自動的に労災保険が強制適用されます。
ただし、暫定任意適用事業については例外となります。

暫定任意適用事業

農林水産業のうち労働者数5人未満の個人事業については、労災保険の加入は経営者の判断による任意加入となっています。

給付を受けられる労働者とは?

労災保険の適用事業で働く労働者は、全て労災保険の保護対象です。
職種、雇用形態、雇用期間に関わらず、正社員・パート社員・アルバイト・嘱託・派遣労働者・外国人労働者など全て保護対象です。1日だけのバイトでも保護対象です。

特別加入制度

通常、社長や一人親方は労災保険の保護対象となりません。事業主は労基法上の労働者に該当しないためです。
しかし、中小企業では労働者と同じ危険な作業を行う社長も少なくなりません。このように業務の実態や災害の発生状況などから一般労働者と同様の実態にある事業主については、一定の条件を満たせば保険に入ることができる特別加入制度があります。

保険料は誰が支払う?

保険料は、全額を事業主が支払います。
労働者に支払う見込み賃金の総額に、業種ごとの保険率を乗じた金額を、その保険年度のはじめに申告納付します。

公務員は保護対象?

公務員は労災保険の保護対象ではありません。
国家公務員は国家公務員災害補償制度によって、地方公務員は地方公務員災害補償制度によって、労災保険と同様の補償を受けられるようになっています。

 

(参考文献 ※1、※3、※4、※6、※7、※8、※9)

 

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