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施行通達はどこにある? 労働安全衛生法の通知を実際に探してみる

労働安全衛生法について調べていると、法令の条文とは別に、

「施行について」
「施行等について」
「○○について」

といった文書に出会うことがあります。

いわゆる「施行通達」などと呼ばれる文書です。

法令の条文だけでは分かりにくい

  • 改正の趣旨
  • 条文の考え方
  • 具体的な取扱い
  • 施行日
  • 関係する制度とのつながり

などが説明されていることがあります。

ところが、いざ原文を探そうとすると、

法令検索には条文はあるけれど、
通達はどこにある?

となることがあります。

今回は、厚生労働省の公式サイトを使って、労働安全衛生法に関する通知を実際に探す方法を見てみます。

まず「法令」と「通知」を分けて探す

最初に整理したいのは、法令の条文と通知は同じ場所で探すとは限らない、ということです。

探したいもの 主な探し方
法律 e-Gov法令検索、厚生労働省法令等データベース
政令・省令 e-Gov法令検索、厚生労働省法令等データベース
告示 厚生労働省法令等データベースなど
通知・通達 厚生労働省法令等データベースの「通知検索」
条文を探す場所と、通知を探す場所を分ける

「現在の条文を確認したい」のか、「改正の趣旨や運用を説明した通知を確認したい」のかで、入口を変えると探しやすくなります。

「施行通達」は厚労省では「通知検索」から探す

厚生労働省には、法令等データベースサービスがあります。

トップページには、大きく、

  • 法令検索
  • 通知検索
  • 公示閲覧

があります。

労働安全衛生法に関する施行通達や通知を探す場合は、基本的に「通知検索」を使います。

実務上「通達」と呼ばれている文書でも、現在の厚生労働省のデータベースでは「通知検索」の中から探す形になります。

厚生労働省
法令等データベースサービス
↓
通知検索
↓
労働安全衛生法関係の通知を探す

通知検索には3つの探し方がある

厚生労働省の通知検索には、主に、

  • 目次(体系)検索
  • 本文検索
  • 情報詳細検索

があります。

どれを使うかは、手元にどこまで情報があるかで変わります。

分かっていること 使いやすい検索
テーマだけ分かる 目次(体系)検索
探したい言葉が分かる 本文検索
日付・文書番号などが分かる 情報詳細検索

実際に「労働安全衛生法の施行について」を探してみる

例として、労働安全衛生法が制定されたときの通知を探してみます。

厚生労働省の通知データベースには、

労働安全衛生法の施行について
昭和47年9月18日
発基第91号

が収録されています。

これは、労働安全衛生法が昭和47年に制定された際の施行に関する文書です。

通知を開くと、

  • 件名
  • 発出日
  • 文書番号
  • 発出者・宛先
  • 法の施行時期
  • 各規定についての説明

などを確認できます。

同じ日に別の通知も出ている

ここが、施行通達を探すときに少し分かりにくいところです。

昭和47年9月18日には、

  • 「労働安全衛生法の施行について」発基第91号
  • 「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」基発第602号
  • 「労働安全衛生規則の施行について」基発第601号の1

など、複数の関係文書が発出されています。

つまり、

「施行通達を一つ見つけた」
=
必要な説明が全部そこにある

とは限りません。

法律・政令・省令で通知が分かれていることがある

探している条文が法律なのか、施行令なのか、労働安全衛生規則なのかを確認すると、関連する通知を探しやすくなります。

まず件名のキーワードで検索する

通知の名前がおおよそ分かっているなら、本文検索で、

労働安全衛生法 施行

などと検索します。

改正省令について調べたいなら、

労働安全衛生規則 施行

といった探し方もできます。

ただし、実際の通知タイトルには、

  • 「施行について」
  • 「施行等について」
  • 「○○について」
  • 「取扱いについて」
  • 「関係通達の整備について」

など、さまざまな表現があります。

「施行通達」という言葉だけで検索しないのがポイントです。

通知番号が分かれば探しやすい

他の資料を読んでいると、

令和7年5月14日付け
基発0514第1号

のような記載が出てくることがあります。

このように、日付と通知番号が分かれば、原文をかなり絞り込めます。

例えば、令和7年に公布された労働安全衛生法及び作業環境測定法の改正では、

件名: 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について
発出日: 令和7年5月14日
番号: 基発0514第1号

という通知が発出されています。

この通知では、改正法の趣旨や主な改正内容などを確認できます。

一つの法改正から複数の通知が出ることもある

令和7年の労働安全衛生法及び作業環境測定法の改正を例にすると、公布時の通知だけでなく、その後、施行される内容に応じて別の通知も発出されています。

例えば、

通知 発出日
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について 令和7年5月14日
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律等(代替化学名等関係)の施行について 令和8年2月20日
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律等(機械の労働災害防止等関係)の施行について 令和8年3月31日

一つの改正法について、テーマや施行時期ごとに通知が分かれることがあるわけです。

「改正法の通知」と「実際の施行時の通知」を分けて見る

法律が公布された時点の通知だけでなく、政令・省令・告示が整備された後に改めて「施行について」という通知が出る場合があります。

体系検索なら労働安全衛生法関係をまとめて見られる

具体的な通知名が分からないときは、目次(体系)検索も便利です。

厚生労働省の通知データベースでは、労働安全衛生法関係の主な通知を、体系から探すことができます。

労働基準
↓
安全衛生
↓
労働安全衛生法

ここから一覧を見ると、

  • 施行通知
  • 改正に関する通知
  • 疑義・解釈に関する通知
  • 具体的な制度の取扱い

などをまとめて探すことができます。

条文から探すなら、まずe-Govを見る

一方、

そもそも今の条文はどうなっている?

という場合は、まずe-Gov法令検索を確認する方法があります。

e-Govでは、現在の労働安全衛生法の条文だけでなく、改正履歴や今後施行される改正がある場合にはその情報も確認できます。

そこで、

e-Govで現在の条文を確認
↓
どの改正が関係するか確認
↓
厚労省の通知を探す

という順番で見ると、条文と通知をつなげやすくなります。

公布日と施行日は同じとは限らない

通知を読むときは、公布日・発出日・施行日を分けて確認します。

例えば、

公布された日 法令が正式に公布された日
通知が発出された日 通知そのものが出された日
施行日 その規定が実際に効力を持ち始める日

は、それぞれ異なる場合があります。

改正情報を見るときは、

「いつ発表された?」だけでなく
「いつから適用される?」

まで確認します。

通知には「なぜ改正したか」が書かれていることがある

条文だけを読むと、

何が変わったかは分かるけれど、
なぜ変わったのか分からない

ということがあります。

施行通知には、

  • 改正の背景
  • 改正の趣旨
  • 対象となる範囲
  • 条文中の言葉の考え方
  • 実務上の取扱い

などが説明されていることがあります。

法令の意味を確認するときは、条文だけでなく、その改正に関する通知も確認すると理解しやすくなります。

通知の最初の部分をまず読む

長い通知を最初から全部読む必要はありません。

まず冒頭を見ると、

  • どの法令の改正なのか
  • いつ公布されたのか
  • いつ施行されるのか
  • 何を説明する通知なのか

が書かれていることが多くあります。

その上で、自分が確認したい「第○ 改正の内容」などの部分を探します。

通知のタイトルだけで判断しない

似たタイトルの通知が複数ある場合があります。日付、文書番号、対象となる法令を確認して、探している通知かどうかを確認します。

古い通知が検索できても、そのまま現在の取扱いとは限らない

厚生労働省のデータベースには、昭和時代に発出された通知も多数収録されています。

ただし、古い通知が検索できるからといって、記載内容のすべてが現在もそのまま使えるとは限りません。

その後の、

  • 法律の改正
  • 政令・省令の改正
  • 新しい通知
  • 関係通達の改正・廃止・整理

によって、取扱いが変わっている場合があります。

実際に厚生労働省からは、法令改正に伴って「関係通達の整備について」という通知が発出されることもあります。

古い通達は「現在の条文」とセットで確認する

通知の日付が古い場合は、現在の法令をe-Govで確認し、後の改正通知がないかも確認します。

新しい通知が検索に出ないこともある

厚生労働省の法令等データベースは、随時その場で更新されるのではなく、毎月更新されています。

そのため、発出されたばかりの通知を通知検索で探しても、まだ表示されないことがあります。

その場合は、法令等データベースのトップページにある

登載準備中の新着通知

を確認します。

データベース本体へ登載されるまでの間、新しく発出された通知がこちらに掲載されます。

通知検索で見つからない
↓
「登載準備中の新着通知」も確認

改正法の特設ページも入口になる

大きな法改正の場合、厚生労働省が改正内容をまとめたページを作っていることがあります。

そこには、

  • 改正法の概要
  • 法律の条文
  • 新旧対照条文
  • 政令・省令
  • 施行通知
  • 関連資料

などがまとめられている場合があります。

例えば、令和7年の労働安全衛生法及び作業環境測定法の改正についても、厚生労働省が改正法令や関連資料をまとめたページを公開しています。

まずそこで改正全体を把握し、必要な通知の原文へ進む方法もあります。

検索エンジンで見つけたときも原典まで戻る

通知名や通知番号を検索すると、民間サイト、社労士事務所、業界団体などの解説が先に表示されることもあります。

そうした解説は、内容を理解するためには便利です。

ただし、

「解説にこう書いてある」

で確認を終わらせず、最終的には、

厚生労働省の通知原文

まで戻ります。

特に、

  • 義務なのか努力義務なのか
  • 対象者は誰なのか
  • 施行日はいつなのか
  • 経過措置があるのか
  • 例外があるのか

といったところは、原文で確認します。

通知を見つけたら、この順番で確認する

確認 見るところ
1 通知の正式名称
2 発出日
3 文書番号
4 何の法令・改正に関する通知か
5 公布日・施行日・適用日
6 改正の趣旨
7 自社に関係する具体的な取扱い
8 後の改正・関連通知がないか

例えば法改正を調べるなら

※以下は、法令・通知を調べる順番を分かりやすくするために当協会で整理した例です。

① e-Govで現在の条文を見る
↓
② 改正法・政令・省令を確認する
↓
③ 厚労省の通知検索で施行通知を探す
↓
④ 趣旨・具体的な取扱いを確認する
↓
⑤ 自社への影響を整理する

職場で確認してみる

確認してみること 確認
法令の条文と通知を分けて調べている □
現在の条文をe-Govで確認している □
通知は厚生労働省の通知検索で確認している □
通知の正式名称・日付・番号を確認している □
一つの改正に複数の通知がないか確認している □
公布日と施行日を分けて確認している □
古い通知は後の改正がないか確認している □
新しい通知は「登載準備中の新着通知」も確認している □
解説記事だけでなく一次情報まで戻っている □

原典までたどると、法改正の見え方が変わる

法改正について調べるとき、パンフレットや解説資料はとても便利です。

しかし、もう一歩進んで、

法律・省令の条文
+
施行通知・関係通知

まで確認すると、

  • どこまでが法令で決まっているのか
  • どこが行政上の解釈・取扱いなのか
  • なぜその改正が行われたのか
  • いつから対応すればよいのか

が整理しやすくなります。

「誰かの解説を見る」から、「原典を自分でも確認する」へ。

厚生労働省の通知データベースは、そのための入口として使うことができます。

厚生労働省の法令・通知を探す

厚生労働省法令等データベースでは、法令と通知を分けて検索できます。

▶ 厚生労働省「法令等データベースサービス」を見る

通知を本文から検索する

通知の件名や本文に含まれる言葉から検索できます。

▶ 厚生労働省「通知検索・本文検索」を見る

労働安全衛生法関係の通知を体系から探す

通知名が分からない場合は、安全衛生関係の体系から通知をたどることもできます。

▶ 厚生労働省「通知検索・目次(体系)検索」を見る

新しく発出された通知を見る

データベースへの登載前の通知は、「新着の通知」で確認できます。

▶ 厚生労働省「新着の通知」を見る

現在の労働安全衛生法を見る

現在の条文や改正履歴、未施行の改正などは、e-Gov法令検索で確認できます。

▶ e-Gov法令検索「労働安全衛生法」を見る

実際の施行通知を見る

労働安全衛生法が制定された際の「労働安全衛生法の施行について」を原文で確認できます。

▶ 「労働安全衛生法の施行について」(昭和47年9月18日 発基第91号)を見る

より細かな取扱いについては、同日に発出された別の通知もあります。

▶ 「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(基発第602号)を見る

▶ 「労働安全衛生規則の施行について」(基発第601号の1)を見る

最近の改正法の通知を見てみる

令和7年の労働安全衛生法及び作業環境測定法の改正についても、通知原文が公開されています。

▶ 「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について」(基発0514第1号)を見る


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