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公的な研修教材を社内教育で使ってみる

メンタルヘルスの社内教育を行おうとして、

研修資料を一から作らないといけない?

と考えることがあります。

しかし、厚生労働省の「こころの耳」には、社内のメンタルヘルス研修に活用できる動画、eラーニング、PDF教材、研修マニュアルなどが公開されています。

これらを利用すれば、すべての教材を自社で一から作らなくても、社内教育を始めることができます。

今回は、公的な研修教材を探して、実際の社内教育にどう組み込むかを見ていきます。

まず「誰に何を伝えるか」を決める

教材を探す前に、研修の対象を決めます。

例えば、一般の労働者と管理監督者では、必要な内容が少し違います。

対象 主に学びたいこと
一般の労働者 ストレスへの気づき、セルフケア、相談先など
管理監督者 部下の変化への気づき、相談への対応、職場環境の改善など

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」でも、労働者へのセルフケアに関する教育と、管理監督者へのラインによるケアに関する教育が示されています。

まず「全員向け」か「管理監督者向け」か

対象が決まると、公的教材の中から必要なものを選びやすくなります。

全員向けなら「セルフケア」から

一般の労働者を対象にするなら、「こころの耳」のセルフケア研修を利用できます。

例えば、「15分でわかるセルフケア」では、

  • ストレスとは何か
  • ストレスへの気づき
  • ストレスとのつき合い方
  • 相談することの大切さ

などを短時間で学ぶことができます。

eラーニングだけでなく、PDF版も公開されています。

全員向け研修
↓
セルフケア教材を選ぶ

管理監督者には「ラインケア」

部長、課長、現場の管理監督者などには、ラインによるケアについて学んでもらうことができます。

「15分でわかるラインによるケア」では、

  • 管理監督者の役割
  • 「いつもと違う」部下への気づき
  • 部下から相談を受けたときの対応
  • 職場のストレス要因への対応
  • 職場復帰への支援

などが紹介されています。

単に「部下の異変を見つける」という内容だけではなく、職場そのもののストレス要因を把握して改善するという視点も含まれています。

管理監督者の役割は「診断すること」ではない

部下の病名を判断するのではなく、日頃との違いに気づき、話を聴き、必要に応じて社内の担当者や専門的な支援へつなぐことを学びます。

5分だけの教材もある

社内研修というと、

1時間くらい時間を取らないとできない

と思うかもしれません。

しかし、「こころの耳」には3~5分程度の短い研修動画も公開されています。

「こころの耳 5分研修シリーズ」では、例えば、

  • 生活習慣と睡眠からはじめるセルフケア
  • しんどいときに職場ですぐできるセルフケア
  • 日頃からの部下への声かけ
  • ストレスチェックの個人結果シートの読み方
  • ストレスチェック 集団分析結果の見方

など、テーマを絞って短時間で学べます。

朝礼や会議の前後などに一つのテーマだけ取り上げる方法もあります。

例えば30分の社内研修なら

公的教材と自社の情報を組み合わせると、比較的簡単に研修を組み立てられます。

例えば一般の労働者向けなら、次のような構成が考えられます。

時間 内容
5分 自社でメンタルヘルス教育を行う目的を説明
15分 「15分でわかるセルフケア」を利用
5分 自社の相談窓口や相談方法を説明
5分 自分でできるセルフケアや相談先を確認

※上記は公的教材を社内教育へ組み込む方法として当協会で整理した一例です。

公的教材だけでは分からないことを自社で足す

公的教材には、メンタルヘルスについての共通した知識がまとめられています。

一方で、公的教材には自社のルールまでは書かれていません。

例えば、

  • 困ったときに社内の誰へ相談するのか
  • 産業医や保健師へどうつなぐのか
  • 外部相談窓口はあるのか
  • 休職や職場復帰の手続きはどうなっているのか
  • ストレスチェックの問い合わせ先は誰なのか

といった情報です。

公的教材
共通する基礎知識
+
自社の情報
相談先・制度・具体的な手順
↓
自社で使える研修になる

「相談してください」だけでは足りない

メンタルヘルス研修では、

「つらいときは相談しましょう」

という説明がよくあります。

しかし、実際に相談してもらうには、

  • 誰に相談するのか
  • どのように連絡するのか
  • 勤務時間中でもよいのか
  • 外部の相談先はあるのか

などが分からなければ、行動につながりにくくなります。

公的教材を使ったあとに、自社ではどこへ相談できるのかまで伝えておくと、研修内容を実際の職場へつなげやすくなります。

研修を「一度見た」で終わらせない

一度に多くの内容を伝えても、すべてを覚えておくのは難しいものです。

そこで、長い研修を年に一回だけ行う方法だけでなく、短い教材を使って繰り返し取り上げる方法もあります。

最初に基本研修
↓
5分動画などで振り返る
↓
相談先や職場の取組も再確認

例えば、新入社員研修、管理職研修、全国労働衛生週間、ストレスチェック実施前後など、機会を分けて取り上げることもできます。

資料をそのまま改変してよいとは限らない

「こころの耳」の教材は、社内のメンタルヘルス研修に活用することができます。

ただし、利用条件はコンテンツごとに確認する必要があります。

例えば、「15分でわかるセルフケア」などでは、教材に含まれるイラストなどの意匠をコンテンツから切り離して二次利用・改編・配布することは禁止されています。

「研修で使える」と「自由に作り変えられる」は別

公的教材を社内研修で利用するときは、各教材に記載された利用条件を確認します。
加工する必要がなければ、公式ページを表示したり、提供されているPDFや動画をそのまま活用する方法が分かりやすいでしょう。

研修の目的に合った教材を選ぶ

公的教材がたくさんあるからといって、全部使う必要はありません。

こんな研修をしたい 探してみる教材
全社員へ基本を伝えたい セルフケア教材
管理職に部下への対応を学んでもらいたい ラインケア教材
短時間で一つのテーマを伝えたい 5分研修シリーズ
部下の話の聴き方を扱いたい 傾聴に関する教材
職場復帰について学びたい 職場復帰支援のeラーニング

まず一つの教材から使ってみる

社内教育を始めるときに、立派な研修体系を最初から完成させる必要はありません。

例えば、

対象者を決める
↓
公的教材を一つ選ぶ
↓
自社の相談先・制度を追加
↓
実際に研修してみる

というところから始められます。

実施してみて、説明が足りなかったところや、質問が多かったところがあれば、次回の研修へ反映します。

社内教育で確認してみる

確認してみること 確認
誰を対象にした研修か決めた □
研修で伝えたい内容を一つ決めた □
目的に合う公的教材を選んだ □
教材の利用条件を確認した □
自社の相談窓口を伝えた □
必要に応じて自社の制度・手順も説明した □
一度だけでなく、振り返る機会も検討した □

公的な研修教材のよいところは、専門的な内容を一から自社で作らなくてもよいことです。

一方で、教材を見るだけでは、

自社では実際にどうすればいい?

という部分までは分かりません。

そこで、

公的教材+自社の情報

公的教材で共通する知識を学び、自社の相談先、制度、対応方法を加える。
この組み合わせにすると、公的な教材を実際の職場で使える社内教育へつなげることができます。

「こころの耳」の研修教材を見る

厚生労働省の「こころの耳」では、社内で実施するメンタルヘルス研修に活用できる教材をまとめて紹介しています。

セルフケア、ラインケア、ハラスメントなど、目的に応じて教材を探すことができます。

▶ 「こころの耳」職場のメンタルヘルス研修ツールを見る

短時間の研修動画を見る

「こころの耳 5分研修シリーズ」では、3~5分程度の動画でセルフケア、ラインによるケア、ストレスチェックなどを学ぶことができます。

社内研修の一部として活用できることも明記されています。

▶ 「こころの耳 5分研修シリーズ」を見る

厚生労働省のメンタルヘルス指針を見る

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、セルフケア、ラインによるケアなどの考え方とともに、労働者や管理監督者への教育研修・情報提供について示されています。

▶ 厚生労働省「職場における心の健康づくり」を見る

ストレスチェックの活用も確認する

ストレスチェックを実施したあと、高ストレス者への対応や集団分析、職場環境改善へどうつなげるかはこちらで紹介しています。

▶ ストレスチェックは「実施して終わり」ではない

当協会のメンタルヘルス研修を見る

当協会のメンタルヘルス研修では、セルフケア、管理監督者によるラインケア、職場環境改善などについて学びます。

▶ メンタルヘルス研修を見る


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