8.メンタルヘルスマネジメントについて

(1)ストレスコーピング(ストレス対処行動)

実は、ある程度のストレスは、その人のやる気のもとになるなど、人に良い影響を及ぼすと考えられています。しかし、ストレスが過度になると、心身の健康を害する悪いストレスになります。

例えば学生時代に、ただ勉強するよりも、テストで良い点をとるぞ、学年の順位を上げるぞ、と目標を持った方が、勉強の甲斐があった方も多いでしょう。しかし、いよいよテスト直前になると思った通りに勉強のスケジュールが進んでいなかったりして、テストが苦痛になってきます。自信の無さから、目標が重圧になり、ストレスが過度になっているのです。

テストを受ける、ということが過度なストレスになるのは、そこにその人なりの目標や目的、使命や考え方があるからです。十分にテスト勉強ができて自信があれば、早く結果が知りたい、と思うでしょうし、準備不足ならテストの日が永遠に来ないことを願うでしょう。

重要なのは、個人がこのストレスをうまく調整することです。

ストレスコーピングは、人が困難な問題に直面したときの対処傾向(ストレス対処行動とも言われます)のことです。仕事関連のストレスの中には、自らの工夫やリラックス法で、ある程度調整することができることがあります。

普段から、自分の性格や行動パターン(例えば、仕事の仕方であれば、じっくり準備する方だ、ぎりぎりになると力を出す方だなど)を把握し、様々なストレスにどのように対処すると自分にとってうまく対処できるかを知っていることが、ストレスに対応する良策と言えます。

(2)リラクセーション法

何か重いものを持つときや、全力疾走するとき、一気に息を吸って止めてから行動する、という経験をされた方は多いと思います。また、ため息をつくことは誰にでもありますね?

息を吸って吐く、という何気ない行動ですが、人間の交感神経と副交感神経に作用しています。

息を吸うと、交感神経が働き、人間は緊張状態になります。 反対に息を吐くと、副交感神経が働き、人間はリラックス状態になります。

この稿を読んでいるあなた、まず4秒くらいかけてゆっくり胸いっぱいに息を吸ってみてください。そして今度は6秒くらいかけてゆっくり息を吐きだしてみてください。

吸って吐くという行動に、緊張とリラックスの両方を体験することができると思います。
息を調えることは、リラクセーション方法のひとつです。

このように、副交感神経の働きを促すとリラックスできます。

音楽を聞く、自律訓練法(注2)を取り入れる、スポーツを楽しむ、アロマテラピーやヨガ、マッサージなど、自分なりのリラクセーション方法を探してみましょう。

(注2)自律訓練法:気持ちが落ち着いている、両腕・両脚が重たい、両腕・両脚が暖かい、心臓が自然に静かに規則正しく打っている、自然に楽に息をしている、お腹が温かい、額が心地よく涼しい、という言葉で7段階の感覚(公式言語)を意識する練習をすることで心身の自己正常化を促す方法

(3)コミュニケーション法

多弁が美徳とは言いませんが、「男は黙って」では、相手に気持ちは伝わりにくいものです。コミュニケーションの良い職場を作るために、コミュニケーションについて理解しましょう。

①人間関係上のコミュニケーションを少し詳しく説明すると、2者間ないしは複数者間で互いの意思や気持ちなどの情報を、言葉や文字、動作などを手段として相手の感覚に到達させ、交換すること、と言えます。

②言葉、文字、動作など伝達させるツールは様々です。それらをフルに活用して自分を知ってもらう(自己開示)、相手を知る(他者理解)ということが必要です。

③一番大切なのは、相手の気持ちを知る、ということです。賛成できない考え方も、相手はそう考えているのだ、ということを客観的に理解しましょう。また、相手が苦しんでいる時、悩んでいる時に、相手が苦しんでいる、悩んでいると感じることを「共感」と言います。

④ 自己開示をすると、相手から何かしらの感想をもらえることがあります(フィードバック)。それによって、自分の気づかない自分を発見することもあります(自己理解)。

このように、コミュニケーションとは、ただしゃべることではありません。
自己開示や他者理解無くしてコミュニケーションとは言えないのです。


管理職にぜひ理解してほしいことですが、人が会社を辞めようと思うとき、そこには、

● 仕事に対する興味の減退
● 職場の人間関係の悪化

がある、と言われています。大切な部下を失わないためにも、コミュニケーションの質を高めていきましょう。

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