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【第1章】第3節 漏電

1.漏電現象

電気の通常の流れは、決められた電気回路・絶縁された設備を通り正常な状態で目的に応えていますが、仮に100Aでスタートしたものは100Aで帰って来なければならないのに95Aとか90Aで帰って来る(何処かで5Aとか10Aが失われている)ことがあります。どこかで電気が配線や器具以外の個所に漏れていることになります。こういった不正常に漏れている電流を「漏れ電流」又は「漏洩電流」と言います。


漏電現象とは?

漏電防止対策として電路や電気機器を正常な状態で使用し、保守、点検などを励行して漏電を起こさないことが大切ですが、残念ながら設備の劣化などから起こる漏電を未然に防ぐのは容易ではありません。

そこで、何らかの原因で万一漏電した場合でも、感電災害含め他の災害を起こさせない方法として次の様な方法が有ります。


2.漏電による災害の防止対策

①漏電遮断器の設置

漏電遮断器は、負荷(機器)側の電路及び電気機器で起こる漏電に対して、漏れ電流が所定の値以上になればその電路を瞬時に遮断し、感電災害を未然に防いでくれる安全装置です。

なお、漏電遮断器の設置義務は、安衛則第333条及び電気設備に関する技術基準を定める省令(以下「電技省令」という)第15条で規定され、電気設備の技術基準の解釈(以下「電技解釈」という)に詳細が示されています。


②保護接地

電気機器の金属製外箱と大地を電線などでつなぎ、漏れ電流が大地を経てB種の接地線に戻る回路を構成することにより、万一人が漏電している機器の外箱に触ってもわずかな電流しか流れないようにしておく安全対策です。

電技解釈第17条及び第29条では、機械器具の鉄台及び金属製外箱に施す接地の種類と、接地抵抗値等が決められています。(接地抵抗値の詳細は後述の「接地の種類」)

③非接地方式

非接地方式は電源用変圧器の低圧側の中性点は1端子を接地しない配電方式で、安衛則334条(適用外)や電技解釈第36条(地絡遮断装置の施設)でその適用が規定されています。このような電路では人は漏電している電気機器の金属製外箱に触れても、地絡電流が流れる電気回路が構成されない為、感電災害に至りません。

なお、非接地方式はその電路上のすべての絶縁状態を良好に保持する必要から保守管理が難しいため、「水中照明」など漏電時の被害が大きい場所や、「生命維持装置」など瞬時の停電も許されない場合に限定して採用されています。


④二重絶縁構造電気機器

感電に対する基本保護である「基礎絶縁」に対し、基礎絶縁が故障した場合の保護を行う「補助絶縁」「保護絶縁」がある。

二重絶縁構造の電気機器は、基礎絶縁が何等かの原因で故障しても、補助絶縁・保護絶縁によって危険電圧が機器本体の表面に出ない構造となっている為、安全性は非常に高い。

なお、二重絶縁構造の製品は二重四角形マーク(電気用品安全法規定品)が機器本体に表示されている。


二重絶縁マークを表示した製品は二重絶縁構造ですのでアース(接地)する必要のない製品です。

法律・政令・省令

このマークを表示した製品は電気用品安全法に基づく技術上の基準に適合、又は準じて(電気用品安全法適用外の製品)製造されています。

このマークを表示していない製品は労働安全衛生規則などの規定により漏電しゃ断器を設置し、さらにアース(接地)をしてご使用ください。

(二重絶縁表示例~株式会社マキタ用語集より)

※なお、この機能はあくまで「電気絶縁」に関するものであり防水機能はありません。従って、雨の中での使用などでは感電のおそれがあります。

 

 

 

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