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【第1章】第4節 接地

1.接地の種類

接地はアースとも呼ばれています。アースは文字通りの意味は地球のことです。アース(接地)をするとは、地球と接続するという意味になります。

一般の電気使用機器や電気設備も故障や経年劣化、自然災害等で漏電や充電部が露出されることがあり、そこに人が触れると感電する場合があります。また、産業電気設備においては、故障などにより停電、設備破壊や火災という最悪な結果となることもあります。


アースの必要性 人体内部の抵抗:手と手を100としたときの割合


こういう悪い結果とならないために事前に接地工事を施しますが、接地にはその目的から次の様な種類が有ります。

①機能接地~機器のノイズ(雑音)防止や安定動作を施す為の接地

②機器用接地~人などへの感電防止、漏電による火災防止、漏電遮断器を確実に動作させる等の目的で電気機器の外箱等に施す接地

③系統接地~変圧器内部の混触事故等により、低圧電気回路側への高い電圧の侵入を防止する目的で、電路の中性線又は1線に(変圧器の2次側のB種接地)施すもの


2.接地工事の種類

接地工事の種類と接地抵抗値・接地個所・接地線

接地工事の種類 接地抵抗値 接地箇所 接地線の種類
A  種 10Ω以下 高圧又は特別高圧用の機器の外箱又は鉄台 直径2.6mm以上の軟導線
B  種 150(又は300もしくは600)/ⅠΩ以下 高圧用又は特別高圧と低圧を結合する変圧器の中性点 直径4mm以上の軟導線
C  種 10Ω以下 300Vを超える低圧用機器の外箱又は鉄台 直径1.6mm以上の軟導線
D  種 100Ω以下 300V以下の低圧用機器の外箱又は鉄台 直径1.6mm以上の軟導線

※B種接地工事の接地抵抗値中の「I」は一線地絡電流(変圧器の高圧と低圧が混触したとき、B種接地工事の接地線に流れる電流)。

3.接地工事の方法

目的別に見た接地は、以下に大別されます。

イ)電気機械器具等の金属製外箱を接地する機器接地の目的
人等に対する感電を防止する
漏電による火災を防止する
保護装置(漏電遮断器、漏電警報器)を確実に動作させる

ロ)変圧器低圧側の中性線を接地する系統接地の目的
変圧器内部の混触事故により低圧側の電路に高い電圧の侵入を防止する


以上の様な目的を完全に果たす為の工事方法を確認します。

:接地工事(接地極)の方法は、電技解釈第17条に規定されており、接地工事を施す場合接地線は安全かつ確実に大地と完全に繋がっていることが必要です。

その為に使用する諸材料として、銅板・銅棒・亜鉛メッキ処理した鉄棒(接地極)などがあり、銅線を蠟付けによって接続し地中深く埋め込んで大地へつなぎます。この際、接地極はなるべく水分を含んでおらず、酸類等金属を腐食させるような成分を含まない場所を選ぶようにします。


また、故障時に接地線へ電流が流れると、接地極の接地抵抗によって大地との間に電位差を生じ、接地線を中心として地表面に電位傾度が表れるので、人が触れるおそれがある場所にA種・B種接地工事の接続線を施設する場合には、接地極を地下75cm以上の深さに埋設し、かつ、地下75cmから地上2mまでの接地線は、合成樹脂管等の絶縁効力のあるもので覆うことが規定されています。


さらに、容易に識別できるようにするため、接地線は一般的に「緑色」(又は「黄色と緑」)とし、ビニル被覆で直径1.6mm以上の絶縁電線を使用します。

なお、可搬型の電動工具等移動して使う電気器具では、付属するコードやキャブタイヤケーブル等の心線のうち、緑色被覆の接地端子を差し込みプラグからコンセントの接地用の極を経て接地します。


人体内部の抵抗:手と手を100としたときの割合

接地工事及び接地測定方法

人体内部の抵抗:手と手を100としたときの割合

 

 

 

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