第4章:安全管理者の選任と実務
4-1 安全管理者が必要な業種
安全管理者の選任義務は、すべての業種に課されているわけではありません。労働災害のリスクが比較的高い業種に限定されています。
安全管理者の選任が必要な業種(主なもの)
- 林業、鉱業、建設業
- 製造業(物の加工業を含む)※食料品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業を除く
- 運送業、貨物取扱業
- 電気業、ガス業、熱供給業、水道業
- 自動車整備業、機械修理業
- 清掃業、と畜業
安全管理者が不要な業種(主なもの)
- 情報サービス業、通信業
- 小売業、卸売業
- 金融・保険業
- 飲食店、宿泊業
- 教育、学習支援業
- 医療、福祉
- 各種サービス業(コンサルティング、広告、デザインなど)
※これらの業種でも、衛生管理者・産業医・衛生委員会は必須です。
4-2 安全管理者の資格要件
安全管理者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
| 資格要件 | 詳細 |
|---|---|
| ①大学卒業者 | 理科系統の学部を卒業し、2年以上の産業安全実務経験を有する者 |
| ②高専卒業者 | 理科系統の学科を卒業し、4年以上の産業安全実務経験を有する者 |
| ③高校卒業者 | 理科系統の学科を卒業し、4年以上の産業安全実務経験を有する者 |
| ④厚生労働大臣指定講習修了者 | 安全管理者選任時研修の修了者 |
| ⑤労働安全コンサルタント | 労働安全コンサルタント試験に合格した者 |
実務経験の範囲
「産業安全実務」とは、工場、現場等での生産・施工に関する安全指導、安全装置等の点検・整備、労働災害の原因調査等の業務経験を指します。単なる事務職や営業職の経験は含まれません。
4-3 選任の手続き
4-3-1 選任までの流れ
- 候補者の選定:社内で要件を満たす者を選定
- 本人の同意:選任される本人の同意を得る
- 正式選任:会社として正式に選任する(辞令交付等)
- 労働基準監督署への届出:選任後14日以内に「安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告書」を提出
4-3-2 届出に必要な書類
- 安全管理者選任報告(様式第3号)※労働基準監督署で入手、または厚生労働省HPからダウンロード
- 資格を証明する書類(卒業証明書、実務経験証明書、講習修了証など)のコピー
4-4 安全管理者の職務
安全管理者は、事業場の安全管理を担当し、以下の業務を行います。
| 職務内容 | 詳細 |
|---|---|
| 安全装置・保護具等の点検 | 機械設備の安全装置、保護具の使用状況等を定期的に点検 |
| 作業環境の整備 | 作業場所の整理整頓、通路の確保など安全な作業環境の維持 |
| 安全教育の実施 | 労働者に対する安全教育の企画・実施 |
| 災害発生時の措置 | 労働災害発生時の原因調査、再発防止策の立案 |
| 職場巡視 | 定期的な職場巡視による危険箇所の発見と改善 |
実務のポイント
- 安全管理者は専任である必要はなく、他の業務と兼務可能
- ただし、名目だけの選任ではなく、実際に安全管理業務を行う必要がある
- 事業場の規模に応じて、複数名選任することも可能
受講者様のご希望に合わせ、以下のタイプの講習会もご用意しています
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