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第5章:衛生管理者の選任と実務

5-1 衛生管理者とは

衛生管理者は、すべての業種の50人以上の事業場で選任が義務づけられています。安全管理者と異なり、業種による例外はありません。労働者の健康障害を防止するための衛生管理業務を担当します。

重要ポイント
  • 全業種で必須:情報サービス業、小売業、金融業など、すべての業種で選任義務がある
  • 国家資格が必要:第一種または第二種衛生管理者免許が必須
  • 自社従業員から選任:外部委託は不可(産業医とは異なる)
  • 専属・専任の必要はない:他の業務と兼務可能

5-2 衛生管理者の資格(第一種と第二種の違い)

衛生管理者には「第一種」と「第二種」の2種類があり、事業場の業種によってどちらが必要かが決まります。

区分選任できる業種特徴
第一種衛生管理者 すべての業種 すべての業種で選任可能。製造業や建設業など有害業務を行う事業場では第一種が必須
第二種衛生管理者 有害業務の少ない業種のみ 情報サービス業、小売業、金融業など、有害業務が比較的少ない業種でのみ選任可能
第一種が必要な業種(有害業務を含む業種)
  • 製造業、建設業、運送業
  • 農林業、鉱業
  • 電気業、ガス業
  • 清掃業、と畜業
第二種で可能な業種(有害業務が少ない業種)
  • 情報サービス業、通信業
  • 小売業、卸売業
  • 金融・保険業
  • 飲食店、宿泊業
  • 教育、学習支援業、医療・福祉

迷ったら第一種を取得することを推奨します。第一種であればすべての業種で選任可能であり、転職や業種変更にも対応できます。

5-3 衛生管理者免許の取得方法

5-3-1 受験資格

衛生管理者試験を受験するには、一定の実務経験が必要です。

学歴必要な実務経験
大学卒業1年以上の労働衛生実務経験
短大・高専卒業3年以上の労働衛生実務経験
高校卒業3年以上の労働衛生実務経験
学歴不問10年以上の労働衛生実務経験
実務経験の範囲

「労働衛生実務」とは、事業場における健康診断実施事務、作業環境測定結果の評価・改善、衛生教育の企画・実施など、労働者の健康管理に関する業務を指します。人事・総務部門での勤務経験も該当する場合があります。

5-3-2 試験の概要

  • 試験実施機関:公益財団法人 安全衛生技術試験協会
  • 試験日程:毎月1~2回、全国各地で実施
  • 受験料:8,800円(2024年時点)
  • 試験科目
    • 関係法令(労働基準法、労働安全衛生法など)
    • 労働衛生(有害業務に係るもの)※第二種は免除
    • 労働衛生(有害業務に係るもの以外)
    • 労働生理
  • 合格基準:各科目40%以上、かつ合計60%以上の正答率

5-3-3 取得までの期間

一般的に、独学で3~6ヶ月程度の学習期間が必要とされています。通信講座や予備校を利用する場合は1~3ヶ月程度で合格する人もいます。

5-4 選任の手続き

5-4-1 選任までの流れ

  1. 有資格者の確認:社内に衛生管理者免許保有者がいるか確認
  2. 資格取得の手配:いない場合は、誰かに受験・取得してもらう
  3. 正式選任:会社として正式に選任する(辞令交付等)
  4. 労働基準監督署への届出:選任後14日以内に報告書を提出

5-4-2 届出に必要な書類

  • 衛生管理者選任報告(様式第3号)
  • 衛生管理者免許証のコピー

5-5 衛生管理者の職務

職務内容詳細
健康診断の実施管理定期健康診断の企画、実施、結果管理、事後措置
作業環境の測定・評価作業環境測定の実施管理、結果の評価と改善策の立案
衛生教育の実施労働者に対する衛生教育の企画・実施
職場巡視週1回以上の職場巡視(法定要件)
衛生委員会への参加委員として委員会に出席し、専門的意見を述べる
⚠️ 週1回の職場巡視は法定義務

衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければなりません。

5-6 人数規模による選任数

労働者数必要な衛生管理者数
50人~200人1人以上
201人~500人2人以上
501人~1,000人3人以上
1,001人~2,000人4人以上
2,001人~3,000人5人以上
3,001人以上6人以上

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